Charlotte Weekly 1996.10.06.号 通巻 第10号
スクールバスシステム
今週は、アメリカのスクールバスについてご報告致します。「フォレスト・ガン プ」という映画をご覧になった方は、あの中で、ガンプにとって、人生の重要な 出会いがスクールバスの中であったことに、気づかれたと思います。自由の国で ある米国と、一律に生徒を乗せてしまうスクールバスシステムというのは、私に はまだ違和感があるのですが、いままで経験した事実をまとめてご報告します。
スクールバスは、基本的には日本の小・中学生に相当する、公立の義務教育の 生徒を対象に運営されています。もちろん私立の学校でも、スクールバスは使い ますが、生徒数に対して使われている割合は、公立に比べて低くなっています。 公立で使われるスクールバスは、あの「フォレスト・ガンプ」に出てくるのと同 じ、黄色く塗られたバスです。私立のものは白く塗られています。もちろん台数 は公立のものが、圧倒的に多いです。バス自身は年代ものが多く、多分20-30年 くらい使われているものが多いように思います。
米国の公立の小中学校は居住地域により、通学校が決められています。その区域 の中で、通学のために使われるのがスクールバスです。
普通学校は、8時位から始まりますので、その地域の生徒を集め始めるのは 朝6時頃からになります。もちろん、ひとつの学校でこのようなバスルートは 20以上ありますので、朝の通学時間帯には、学校の門にはスクールバスが続々 と出入りします。
その、スクールバスの乗り方ですが、毎日決まった時間に家の近くまでスクール バスが来ます。その場所は、道路沿いであったり、住宅地の真ん中であったり、 まちまちです。生徒を乗り降りさせる時、スクールバスは赤い点滅灯を 点灯します。そしてSTOPの標識を車体の左側に出します。この時、近くを走 る車は、すべて(対向車線の車も含めて)停止しなければいけません。これを、 無視すると反則金200ドルというかなり重い違反をすることになります。
丁度通勤時間帯と重なることが多いので、これに巻き込まれると、いらいらする こともあります。しかし、米国の伝統である、「家族を大事にしているかい?」 「それなら、こんなこと当然じゃないか」という雰囲気で、すべての人は、とて も協力的に見えます。
帰りは、行きとは逆の順路で、クラブ活動などがなければ、生徒をのせて、学校 を2時頃には出ます。クラブ活動や、特別の理由でバスに乗れない時には親が 運転する車で送り迎えすることになります。
米国のスクールバスはどの州でも、全くといって良いほど、画一的な車体になっ ています。しかも、車両は古いものが多く使われています。運転者は、結構女性 も多く、ある意味での、自動車産業振興と雇用拡大に貢献している面があると思 います。
通勤途中に、スクールバスの赤い点滅灯を見て停止していて考えるのですが、 自由の国、米国というイメージと、まるで「水戸黄門」様のような振る舞いをす るスクールバスの扱いに、とても大きなギャップを感じてしまう、この頃なので す。
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