Charlotte Weekly 1996.10.13.号 通巻 第11号

米国の庶民レストラン

今週は、米国のレストランについて、ご報告致します。例のごとく、日常庶民 の行くところを対象にしております。グルメ紹介は、別途特集号で企画中です。

米国は、人種のるつぼといわれるだけありまして、いろいろな国の人々が集ま っています。Charlotteは古くからの南部の町ですので、カリフォルニアや NYCのようには人種の広がりは大きくありません。ですが、それぞれの人種 に対応して、それぞれの味覚があります。

こちらのレストランは大きく分けると、アメリカ・ヨーロッパ系、中南米系、 その他になります。その他の中には、アジア系や中東系などが含まれます。 当然、レストランには市場原理が働きますから、人気のあるもの、安いもの、 美味しいもの?を出すレストランが繁盛することになります。ではそのあたり 足で集めた情報をお送りします。

まず、米国の方々は、甘いものが実に好きです。それが繁盛するお店のキーワ ードのような感じがします。そうです、米国のレストランは、甘い味付けが多 いのです。塩辛いものというのは、多分ポテトフライの類くらいしかないので はないかと思います。普通の料理の味付けは、トマト系統か、バタークリーム かという感じです。ですから、塩分の取りすぎなどということは、起こりよう がありません。砂糖と、脂肪は多い事になります。では刺激はというとHOT と呼ばれる辛いものです。これは、赤唐辛子が中心で、最近は日本でもおなじ みのタバスコなどもこの類になります。

レストランの地域別の仕分けは難しいのですが、アメリカ・ヨーロッパ系が 7割以上で、中南米系が1割、その他が2割弱位でしょうか。 では、庶民的なレストランにご案内致します。

ここは、庶民的ですから、普段着の人ばかりです。ビジネスパーソンもいます が、皆ラフな姿で来ています。当地では、今や、スーツを着ている人は、お客 さんの所に出かける営業担当者くらいで、銀行の窓口でさえも、スーツ姿は見 かけなくなりました。ただ、NYCやワシントンでは、政府機関や、大会社の 本社などがあり当地よりもスーツ姿は多く見掛けます。

さて、レストランに入りましょう。まず、入り口でウェイトレスが来るまで待 ちます。空いている席が目に付いても、案内を待ちます。そうすると、ウェイ トレスがやってきて、何人ですかとか、禁煙席か、喫煙席のどちらですか、 と聞いてきます。希望を言って、案内されてから、席に着きます。 最初には、飲み物と前菜に相当するものを注文し、飲み物が来てからメイン ディッシュを頼むのが普通です。飲み物は、アルコールのあるものも無い物も、 どちらも含まれます。ここでは、それぞれ自分の飲みたいものを頼みます。 飲み物を頼みたくなければ、お水だけ下さいといえば、氷の入った水が出され ます。これは、もちろんただです。それから、アルコール系は別として、飲み 物は、いくらでもお代わり自由です。

こちらのメニューでは、肉料理は、豚、牛、鳥、の順に値段が安くなります。 魚料理は、白身の魚のフライとか、貝や、えび、かにの類になります。シーフ ードというのは、レストランを探さないとあまりお目にかかれませんが、一度 見つけると、米国でのお値打ちの食事はシーフードではないかと思うくらい、 えび、かに、貝は種類が多く、美味しいです。そして、値段も安いのです。

飲み物と前菜、パンなどが出されたあと、ウェートレスは注文を聞きに来ます。 その時には、本日のスペシャルメニューなど、説明がつくことなどもありまが だいたいは、メニューのなかから、選び、希望を言うと、注文は終わりです。 そして、出されたパンなどを食べながら、メインディシュを待ちます。 そしていよいよ、メインディシュになります。これは、私には不思議なのです が、テーブル単位で全員に同時に、出されます。ウェートレスは、そのテーブ ルの全員のメインディシュを大きなお盆に乗せて、片手で担ぎ上げて、持って きます。そして、テーブルにいる人に、次々出してゆきます。 この時、誰が何を頼んだかをしっかり覚えていて、あまり間違えることはあり ません。ここは、結構しかっりしていると感心するところです。 さて、メインディシュの料理の量ですが、やはり日本人の胃袋にはか なり負担です。それも何とかこなしつつ、メインディシュを食べている途中に 必ず、ウェイトレスはテーブルのところに来て "How is everything?" と全員 に聞きます。これは、後程お話する、チップを貰えるかどうかという、ウェイ トレスには生活のかかった質問ですので、この時に、飲み物のお代わりを頼む と、ニコニコして、持ってきてくれます。普通は、これに対しお客は "Good." と言って答えます。それ以外の答えはあまり聞いたことはありません。

さて、ほとんどの人が終わる頃、再びウェートレスが現れて、デザートはどう しますか?と聞いてきます。この時も、いろいろケーキやフルーツなどを説明 してくれます。頼みたい人は頼みますが、通常我々はパスしています。

さて、食事も終わり、いよいよ支払いです。ウェートレスは伝票を持ってきて テーブルに置きます。そして、我々は請求金額の15%を目安にチップをつけ 支払います。この時は、テーブルに現金をまとめて置いてもいいですし、 チップを含めて、クレジットカードで支払うこともできます。聞くところによ ると、レストランでは、ウェートレス(あるいはウェイター)はチップだけが 収入だということもあるらしく、それだけに彼女、彼ら仕事に対する集中力は、 かなり強いと見受けられます。

私たちは、日ごろはアジア系のレストランに行きますが、それでも、味付けは 甘くなっており、時々、予想外の味で、びっくりすることもあります。 ですから、その国で、その国民の嗜好に合わせて変化した味から、ここは外国な のだということを実感することもある訳です。


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