Charlotte Weekly 1997.05.25.号 通巻 第43号
小銭とチップと消費税
今週は、小銭とチップと消費税についてご説明します。
−100ドル札は使えない?−
日本から来て、はじめに驚くのは、チップの習慣と、100ドル札の使いにくさ です。チップは、どんな時などのくらいあげるのがいいのか、良く分からない
ので、結構困ります。基本的には、タクシー、レストラン、床屋などほとんどの
サービスに対して、15%が目安です。これで生活している人も多いので、割と気
を遣います。これが、サービス料と言う事でもらう側は一生懸命自分のサービス
がお客さんに快いと言う事を確認してアピールします。
それに対して、サービスされる側は、ありがとうと言いながら渡すわけです。
でも、チップはくれなくても文句は言えないらしくて、渡し忘れても「請求」
される事はありません。変な顔はされますが、このあたりが、大人のルールなの
かもしれません。
100ドル札は、日本から米国に来る時には成田で両替して持ってきますが、 (ちょうど日本の一万円札と言う感じで)実際には、米国ではあまり実用的では ありません。理由はいろいろあるらしいのですが、一つは「偽札」かどうか もらった人が良く分からないこと、(あまりお目にかからないので)もう一つは 通常持ち歩く金額を超えている事です。こちらでは通常数十ドル持ち歩くのが 普通のようで、100ドルになると多すぎるという感じのようです。これは、変な人 にねらわれると言う事も考えると、あまり安全な金額にはならないわけです。 普通にはたいていの人は20ドル札以下で所持金を持っています。
−消費税−
消費税は連邦と州でそれぞれ分かれ課税されます。州と言ってもその中の 郡によっ課税率が異なったりして、とてもややこしいです。ですから、同じ
ニューヨーク州でもすんでいる「郡」Countyと言いますが、それによって 異なることもあります。大体は連邦と州の税を合わせて5%-8%程度です。
ここで面白い課税の仕方があります。それは日本でもおなじみのL.L. Bean のようなやり方なのですが、あるところから購入した商品について、その
メーカーが販売拠点を持たない州に売る時は課税されないのです。
車は全米にディーラーがいますので、どこで買ってもその州ごとに課税されます。
しかしLL Beanのように全国ネットでの販売拠点が無い場合には、拠点の無い 州の人がLL
Beanの商品を購入すると課税されません。これは、なかなか面白 い仕組みで、製造している州にとっては、税収はありませんが「販売拡大に寄与」
して最後に「法人税」で回収する仕組みです。LL Beanが売り上げを伸ばした理
由の一つが、このやり方であった、とも。いわれています
消費税は州ごとに異なっていますし、州の方針で変更もできます。ちなみに
今年の3月頃にはニューヨーク州では冬物の購入には消費税をとらないと言う キャンペーンをやりました。実にフレキシブルです。
そして、住宅情報関係の雑誌の記事では、退職後の住みやすい街などのランクに
税金の項目も入っています。人々はいろいろな項目を比べながら、自分にふさわ
しいところへと、移動して行きます。たしかに、州ごとの権限が、政策的に使わ
れ、政治的な動きへと代えられる多様性が、米国のフレキシブルな点だと思いま
す。
−サービスの範囲−
それにつけても、行政もサービスを表に出していますし、レストランやホテルも
またしかりです。それに対して、サービスを受ける側が「多様性を選択できる」
ようになっているので、サービスは競争になります。緊張感を引きずりながら
多様性を追いかけているのが、米国の民間であり、政府であり、そしてその変革
を求め続ける米国民の要求だと言うように写ります。その根底には、多様性と
いいものを素直に受け取る国民性が横たわっているように思いますが、いかがで
しょうか。
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