Charlotte Weekly 1996.08.18. 号 通巻 第3号
米国での外国人の受け入れとサポート体制
今週は、私の家族が過ごした学校生活のうちで、外国人としてどのように扱われてきたかをご紹介します。
私の家の二人の子どもは、中学3年生と小学校6年生です。こちらの公立の学校に通っています。英語は当然ながらまだ十分ではありません。ですから、 普通の学期では、英語を特別に教えてくれるクラスにいます。そのクラスには、日本人だけでなく、東洋人や中南米の国の子供たちもいます。そこでは、特に費用を負担せずに、英語を教えてもらえます。ただし、そのような学校は限られているので、家の子供たちは、毎日朝6時過ぎにはスクールバスに乗り、 一時間半ほどかけて学校に通いました。ここまでは、私もある程度は予定していたことでしたので、特にあまり気にとめてはいませんでした。
しかし、夏休みに入ってから、下の子は英語学習教育というプログラムに参加しました。これは、市が主催するもので、英語がまだ十分でない小学生が対象です。1カ月間平日は毎日朝8:30から13:00まで英語の授業がありまして、しかも朝食と昼食が毎日つきます。子どものことでたまたま、学校に立ち寄る機会がありましたが、1クラスが20-25人ほどで、全部で10クラスほどありました。そこにはいつも通っている学校のように、いろいろな国の子どもたちがいて授業は、通常の学校の先生が担当していました。それだけの手間とコストがかかることをしてくれたのですが、私は1ドルも支払いませんでした。すべて市の負担でやってく れるのです。普通でも食費くらいは負担すると思いましたが、全くただでした。多分この考え方は、機会均等の思想から来ているのではないかと思います。まずは同じスタート台に立つところまでは手を貸して、そこから先は、自力で動かなければ生き残れない社会の仕組みを一部覗いたように思えました。しかし、それにしても負担ゼロですから、大したシステムだと思いました。
世界の人々を受入れ、自由を守ってきたというアメリカの歴史がこの制度の背後にしっかりと根を張っているように思われました。こちらへ来て、まだわずかの税金しか納めていませんが、私にとっては何やら、精神的に大きな借りができてしまったというのが実感です。
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