Charlotte Weekly 1997.01.05.号 通巻 第23号

米国の年末年始と休暇

今週は米国の年末年始の休暇について、ご報告します。この期間を米国では 一般的にHappy Holidaysと呼ぶこともあります。日本風にいえば、めでたい お正月という感じに近いのかもしれません。

米国の多くの会社ではクリスマス12/24・25と1/1は休みです。 そこで、あとの土日の休みをつなげて、クリスマス休暇を取ります。 これは、11月終わりの感謝祭休暇と並ぶ、民族大移動的な帰省・旅行シーズ ンを意味しています。この間、飛行機やハイウェイはとても混み合います。 こちらでも、ふるさとへ帰るあるいは友人を訪ねる、というのは人々の心の中 で大きな位置を占めていることが分かります。またこちらの大晦日は、午前 零時になる前に「カウントダウン」というのがありまして、それまでいろいろ なショウやパレードなどをやり、零時の時報とともに花火を打ち上げて新年を 祝います。
これは、普通にどこの街でもやられているようです。人々は街に繰り出して 催し物を楽しみます。なぜかその時には街路はアルコールが禁止だったと 思います。
年明けは日本と違い、1/2から勤務につきます。ここは、私には少しなじめ ないところです。

会社は年末年始のお休み以外は営業していますから、移動する人々は休暇を とることになります。夏と年末は、わりとまとまった休暇をとる人が多いです。 国民の祝日は年間8日程度(州によって若干異なりますが)で、日本の年間15 日と比べると、意外に少ないです。年次有給休暇の日数も大体10日程度です から、日本の社会の方がその気になれば多い休暇をとれます。
有給休暇の消化については、こちらは繰越しなどというシステムはありません ので、毎年きちんとワクを消化しているようです。ですから、実質は日本と あまり変わらずに休んでいることになりそうです。
それから、いろいろなチケットなどは、事前予約での割引制度が数多くある ので、人々は、年間休暇計画をとても早い段階で作成しているようです。 それというのも、旅行費用の大半を占める航空運賃は正規運賃でしたら米国 でも決して安くはありません。例えばNYとLAの間の航空券は、正規には 往復で2千ドル近くします。しかし、3ヶ月以上前に予約できるとその2−3 割の価格でチケットを購入することができます。(割引率ではありません、 価格です)
このような制度があり、人々はそれをフルに活用しているように見えます。 このような休暇の取り方は、確かに勤労意欲という意志の観点から見るとあま り働かないと受け取られることになりますが、決して働かないのではなく、 自分の時間を管理するという文化と考えると理解できます。 そうすると、欧米の人々が、新しいカレンダーを見ると、まず自分のとりたい 休暇から埋めてゆくということも、納得できる気がします。

さて、まず年末のクリスマスは家族でお祝いをして、くつろぎます。これは 自分たちの故郷の家であったり、リゾートの施設であることもあります。 そしてそこで団欒タイムを持ちます。米国人はその時に、記念写真を良く撮り ます。家族が揃って休みを楽しみ、そしていろいろな意味でコミニュケーショ ンを図っていると思います。私のところは、今年の年末年始はオーランドで 過ごしました。ここもたくさんの人が出ていて、ホテルは満杯でした。 そこにはディズニーワールドだけでなく、いろいろなスポーツ施設や水族館や 演劇レストランなど、たくさんの選択肢が集まっていました。そしてどこも それぞれににぎわっていました。オーランドに来た人は、その中で自分の 好きなものを選んで楽しんでいることが良く分かりました。

私も、まだレジャーについて語れるほど知識も体験もありませんが、選択でき る幅が広いということは、裏返すと、それだけ個人の主張が強いということと 同じなのかもしれません。そして、施設を作る人はそれだけの多様性に対応し たオプションを用意して待つわけです。結果的に、個人個人が互いに主張する ことが、多様性を生み出し、しかもそのニーズに対して、それをまとめてしま う場所を提供する人々が現れ、世界中からたくさんの観光客を集めるように なっている原点のような気がします。これは、市場のニーズに忠実なマーケテ ィングの結果でもあると思います。
手元にあった、Forbesという経済誌の96/12/16号を見ていると、米国の会社 の株価市場価格はWalt Disneyが20兆円で超優良企業といわれる、General Electricの19兆円を抜いていました。米国で、ハリウッドが強いというのが、 良く分かります。個性と多様性をまとめ上げながらマーケットを作り上げた 結果がここに表れているといえます。オーランドの奥行きの深さは、そのまま 米国の多様性の反映であることを肌で感じることができました。

−編集後記−
皆様、あけましておめでとうございます。今年もCharlotte Weeklyをよろしく お願いいたします。今年は、テーマを選び特集号を出せればと思っております ので、ご期待ください。特集記事などのご希望もいただければ、ありがたいと 思います。

さて、私事ですが、今年はオーランドで年を越しました。我が家では今までに ない年越しで、随分いろいろなことに気が付きました。 例えば、ディズニーワールドに来る人は中南米の人が多いこと(2-3割)とか、 ディズニーワールドの開園時間は、毎日同じでは無いこととか、夜遅くまで 人だかりが多いこととか、今年もCharlotte Weeklyで現地で実感した情報を、 お送りできればと思います。

実は、ディズニーワールドにゆく前に、インターネットでディズニーワールド を調べてから出かけました。(実際は、私の家内が調べてくれたのですが) 本とは違い、新しい情報が多く出ていて、大変重宝しました。これもインター ネットの一つの使い方だと思いますので、ぜひお試しください。 ちなみにディズニーワールドのサイトははwww.disneyworld.comです。 ほかに、www.disney.comもあります。人類史上最大の索引というのが、 こんなところでも実感できると思います。今年も、更なるネットの成長と輪の 広がりを期待したいと思っております。 皆様の今年のご健勝、ご活躍をお祈り致します。


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