Charlotte Weekly 1996.12.08.号 通巻 第19号

米国の「母」は強し

こちらは感謝祭も11/28に終わりました。この日はほとんどのお店が休みに なります。あちこちにいる家族が集まり、集うのが普通のようです。これが 終わると本格的なクリスマスシーズンになります。(こちらではHoliday Seasonといっていますが)11/29には、お店は朝早くから開店して、大バーゲ ンをやります。
ここからが、クリスマス商戦の開始です。年間売り上げの30-40%をここで 達成するお店も多く、きれいなデコレーションや、派手な広告が飛び交います。 普通の家庭でも、クリスマスの飾り付けを始めますので、街はとてもきれいに なります。夜、街を走るとライトアップされたクリスマスツリーやリースがた くさん見られ1年中で一番きらびやかな季節になっています。

今週は、米国の母についてご報告します。外観からの判断が中心ですので、 その点ご了解ください。まず、若いときからの推移をご紹介しましょう。

1. 結婚前後
米国の若い女性はとてもスリムです。そしてあまりお化粧をしていません。 オーデコロンはにおいのきついのをつけることもありますが、日にあたる ときも顔にはほとんど何も塗りません。背丈は170cmを越える人も多くい ます。それから特に気がつくのは歯がきれいで歯並びがきちんとしている ことです。これは、中学生くらいから、歯列矯正をするからです。男性で も同様です。これにかかる費用はこちらでも大変高く3−4千ドルかかり ます。でもこれでかみ合わせや、見た目がきちんとするのですから、本人 にとっては、一生で見るとずいぶん大きなプラスになっていると思います。 こちらの親は、日本では塾にかける費用を、歯並びの矯正に使っているよ うにも見えます。仕事は持っているのが普通で、会社では男性と同じ仕事 をし、同じ扱いを受けています。
会社では、能力に応じて昇進なども行われますから、男性とは対等でもの を考える習性が身についています。そして男性は、女性を守ることが大切 だと、子供のころからしつけられています。ですから、女性は伸び伸びで きる環境にあります。

2. 子供ができて
子供ができると女性は、当然のことながら負担が増えます。しかし産前 産後の休暇は、日本ほど十分ではなく、合計で多くて3ヶ月位でしょう。 ですから、子育てをしながら仕事を続けるのは、周囲の協力なしではやれ ないわけです。そのために、両親やベビーシッター、託児所などそれぞれ の状況に応じて選択をすることになります。通勤時間帯に託児所の前を通 ると、チャイルドシートに子供を乗せた若い母親が、子供を預けている姿 を見掛けます。
このような女性に対しては、会社も柔軟な対応をするところが多く、本人 の裁量で、仕事を早めに切り上げたり、場合によると職場に子供を連れて きたりします。その時、会社の人は、上司も含めて暖かく子供を見守りま す。では、子供に対しての対応はというと、圧倒的に子供を服従させて いるように見えます。親による子供の保護=子供の親への服従という図式がしっ かりと成立していますし、母親としてそのように振る舞います。 今回の感謝祭休暇での帰省の飛行機の混雑の中で、2人の小さな子供を 抱えたお母さんの姿を見掛けました。体の後に大きい方の子供を背負い、 大きなトランクを片手で持ち、反対の手にはチャイルドシートに入れた 小さい子供を下げていました。文字どおり子育ては体力勝負というのが よく分かりました。その時、私は思いました。そのトランクだけでも、 私にとっては十分すぎるほど重たいことが。

3. 米国女性と料理
米国の女性は台所をとてもきれいにしています。ですからあまり台所が 汚れる料理は好みません。そこで、解凍食品や加熱調理済み食品、ファス トフード等が、家庭のメニューに並ぶことが多いようです。どれも高カロ リーなものが多く、家庭料理で家族の中には横に成長する人が出ているよ うに思います。これについては、デザートによる過食から体重増加を もたらすという説もありまして、現在更に調査を続けています。

4. 家庭での立場
夫に対しては、よき相談相手で自分の意見を率直に言うようです。 子供に対しても、自分はこう考えるからこうすべきですという説明を良く しているように思います。ですからここで、ロジカルなところに重点が置 かれてきて、お互い納得しながら生活しているようです。論理的でないと 動かないあたり、日本とは別の社会であることを実感します。そして、 家族がとても仲良くしているということを、外に対して表現します。見て いてとても楽しそうでうらやましくなります。米国人はその意味で、表現 することにとても長けています。それだけを見ていると、みんないつも幸 せであり、私はとてもhappyと表現しているわけです。しかしご承知の通 り、離婚率は結構高く、母子(父子)家庭もかなりあるわけです。論理的 であるがゆえの帰結なのかどうか、なかなか聞きにくい事実であるわけで、 今後更に研究を続けます。

いずれにしろ、こちらでの実感としましては、母はその役割をする上で 母であり、その役割を果たすには、強くたくましい母になるのが、米国の 母のあり方のようです。やさしいだけではやってゆけない、ロジカルにな れば角も立つ、それが一つの現実のような気がします。

情報補足のお知らせ

通巻 第16号でインターネットの予測をした人の名前を忘れたとしましたが、 この件で、広島にお住まいの 織田 健嗣様より、正確な内容をお送りいただき ました。ここに、織田様よりの内容で、補足させていただきます。

世界中が、ネットワークでつながっていることを実感します。 これかれも、お気づきの点ございましたら、お知らせください。

メトカーフの予言:インターネットは、96年に崩壊する、なぜなら 1)お金:巨額の投資の割に見返りがない 2)デジタルマネー:電子取引はうまく成立しない 3)効果測定:客観的効果が不明で、広告市場が形成されない 4)独占:高速通信回線は電話会社が独占し、料金値下げせず 5)安全性:事件が続発し、イントラネットが拡大する 6)互換性:新しい標準化が進まず、ネットの価値は低下する 7)容量:TCP/IPは増大する負荷に耐えられない 8)プライバシー:パラノイア的に煽動され、Internetに対する反動が おこる 9)ビデオ:動画処理に失敗するか成功してトラフィックが過大になる 10)ポルノ:ポルノ論議が肝心のポルノページを減らし、崩壊を導く

織田様は、アクエリアス情報研究所を主宰されている方です。 ホームページはhttp://www.aquarius.co.jp/aquarius/にあります。 ここには、楽しくてびっくりする情報がありますので、ぜひ一度たずねて見て ください。織田様どうもありがとうございました。


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